153 views
  • altre lingue,  Arte,  Brecht,  giapponese

    ベルトルト・ブレヒトの「あかんぼ殺しのマリー・ファラーについて」

    Parallel text availableあかんぼ殺しのマリー・ファラーについて 1 マリー・ファラー、生まれた月は春四月だが みなしごで、未成年、賞罰なく、クル病、 ふしだらとは見えなかったといううわさだが このとおり殺しました、あかんぼを、と自供。 かの女はいう、二ヶ月ばかりのころだったか あやしげな地下室に住む女の手を借り 二本の注射で堕胎しようとしたのだが だめだった、ただひどく痛いめをみたばかり。 しかしきみたち、待ってくれ、怒るのははやい 生きものはみな、たすけあわねば生きられない。 2 でも、とかの女はいう、支払いはきちんとした、 もう隠せないので、おなかをきつくしばった、 アルコールに胡椒をぶちこんで飲んでみた その効は、おっそろしく下痢しただけだった。 からだはひとめにたつほどふくらんできて はげしく痛んだ、ことに皿洗いをすると。 そのころには、かの女はまだしっかりしていて マリア様にお祈りした、どうぞお慈悲をと。 きみたちもまた、待ってくれ、怒るのははやい 生きものはみな、たすけあわねば生きられない。 3 しかしお祈りはどうやら、ききめがなかった。 願いごとにはほどがある。その日が迫れば 朝の祈りのたびにめまいがし、汗が出た 冷汗というものも出た、御像を仰げば。 とはいえ誰も、そうとは悟りはしなかった かの女のお産の月が迫っているなどと。 だってさ、聞かされても誰が信じられたか…